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松村 太伊知; 奥村 啓介; 藤田 学*
JAEA-Conf 2021-001, p.144 - 149, 2022/03
新しいセンサーの開発、非破壊分析技術、放射線遮蔽の最適化などの目的で、燃料デブリの放射線特性を適切に評価できる信頼性の高い核データが必要である。これまで、計算コードによって異なる結果が得られたとしても、その違いの原因を解明することは困難であった。それを克服するために、大量の核種と崩壊データファイルの全崩壊モードを正確に扱うことができる信頼性の高い放射性崩壊・放射性線源スペクトル計算コードを新たに開発した。最初のステップとして、最近の崩壊データファイルであるJENDL/DDF-2015, ENDF/B-VIII.0およびJEFF-3.3の崩壊サブライブラリを使用して、燃料デブリの光子スペクトルを比較した。本発表では、次回のJENDL崩壊データファイルに向けて、崩壊スキームと崩壊モードの分岐比の修正の要望を報告する。
片倉 純一*; 湊 太志
JAEA-Data/Code 2015-030, 97 Pages, 2016/03
JENDL崩壊データファイル2015(JENDL/DDF-2015)を作成した。このファイルには質量数1から260までの原子核の半減期等の崩壊データが収納されている。線やベータ線の放出データが不明な場合でも、崩壊チェインが途中で途切れないように半減期や分岐比のデータを含めた。質量数66から172の核分裂生成物についてはJENDL/FPD-2011を用いることを基本とし、一部不都合が報告されたデータに関しては修正を施した。また、新たに追加された1953核種についてはENSDFからデータを採取した。最終的に安定核244核種を含む3237核種についての崩壊データファイルJENDL/DDF-2015を完成させた。
遠藤 章
保健物理, 38(4), p.308 - 317, 2003/12
放射性核種によって人体が受ける被ばく線量を計算するためには、その核種の半減期,放出される放射線のエネルギーや放出率のデータが必要である。これらのデータとして、国際放射線防護委員会(ICRP)が編集した崩壊データ集ICRP Publication 38(ICRP38)が使われている。ICRP38は、1983年の公刊以来、ICRPが提供する一連の線量換算係数の計算をはじめ、被ばく線量計算や安全評価に幅広く利用されてきた。本解説では、ICRP38に焦点をあて、その編集された経緯,特徴及び利用について解説する。さらに、現在進められているICRP38の改訂について、見直しに至った背景,改訂作業の進捗状況及び今後の展開を紹介する。
片倉 純一; 柳澤 宏司
JAERI-Data/Code 2002-021, 81 Pages, 2002/11
ORIGEN2コード用の光子及び崩壊データライブラリーをJENDL核分裂生成物崩壊データライブラリー2000(JENDL/FPD-00)に基づいて作成した。崩壊データに関しては、半減期,分岐比,再生(recoverable)エネルギーについてJENDL/FPD-00のもので置き換えた。光子ライブラリーについても、JENDL/FPD-00のデータをもとに作り直した。JENDL/FPD-00の光子データは測定データのない核種には理論計算による計算値を採用しているものである。この結果、核分裂後の極短時間における光子スペクトルもORIGEN2コードで計算できるようになった。
片倉 純一; 喜多尾 憲助*
Nuclear Data Sheets, 97(3-4), p.765 - 926, 2002/11
質量数126の核構造データを評価し、まとめた。前回評価した1993年以降の測定データを中心に評価するとともに、見直しを行った。AgからNdまでの14核種について崩壊データ及び核反応データから、核構造に関するデータを編集した。
遠藤 章
日本原子力学会誌, 43(12), p.1191 - 1194, 2001/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)放射性核種によって人体が受ける被ばく線量を計算するためには、その核種の半減期,放出される放射線のエネルギーや放出率のデータが必要である。これらのデータとして、国際放射線防護委員会(ICRP)が1983年に公刊したICRP Publication 38(ICRP38)のデータが利用されている。本稿では、このICRP38に焦点をあて、これが編集された背景やこれまでの利用、そして、現在計画されているICRP38の改訂の動向などについて解説する。
片倉 純一; 吉田 正*; 親松 和浩*; 橘 孝博*
JAERI 1343, 79 Pages, 2001/07
原子核工学分野での利用を目指してJENDL FP崩壊データファイル2000を開発した。このファイルはJENDL特殊目的データファイルの1つで、ENDF-6のフォーマットで編集されている。安定核142を含む1229の核種の崩壊形式,Q値,分岐比,線,線及び線の崩壊あたりの放出エネルギー及びスペクトルデータが収納されている。このファイルを用いた崩壊熱及び線や線のスペクトル計算は、測定値と良い一致を示し、総和計算への適用性を確認した。
片倉 純一; 吉田 正*; 親松 和浩*; 橘 孝博*
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(7), p.470 - 476, 2001/07
被引用回数:5 パーセンタイル:38.97(Nuclear Science & Technology)JENDL特殊目的データファイルの1つとしてJENDL FP崩壊データファイルを作成した。ファイルには1229種類のFP核種の崩壊データが収納されている。本論文は、このうち線及び線のスペクトルについて述べたものである。FP核種の大半は半減期が短いなどにより信頼できるスペクトルの測定データが少ない。このため、理論計算により測定データを補い、すべての不安定なFP核種のスペクトルを推定し、JENDL FP崩壊データファイルに収納してある。スペクトルの収納にあたっては、崩壊熱計算に使用される平均崩壊エネルギーと矛盾のないようにしてある。この収納してあるスペクトルを用いて、核分裂後のFP核種による線及び線スペクトルを計算し、それらの測定スペクトルとの比較を行った。この比較により、JENDL FP崩壊データファイルに収納されているスペクトルの有効性を確認した。
片倉 純一
Nuclear Data Sheets, 86(4), p.955 - 1118, 1999/04
質量数125の原子核構造のデータを評価編集した。1993年の評価の後発表された実験データを収集評価してまとめた。AgからPrまで、実験的に同定されている核種のエネルギーレベル、スピン・パリティ、放射線遷移、半減期等をまとめた。おもにXe,La,Ceのデータが新しくなっている。Te等の核種についても、見直しを行い、新しい情報を追加した。
片倉 純一; T.R.England*
Proc. of Int. Conf. on the Phys. of Nucl. Sci. and Technol., 1, p.438 - 443, 1998/00
米国の評価済核データファイルEMDF/B-VIの核分裂生成物崩壊データファイルに理論計算による線スペクトルを導入した。核分裂生成物は短寿命核種が多く、崩壊データが十分でないものが多い。これらの核種に理論計算を導入し、応用で要求される完全性を満たすようにした。導入結果は、個々の核種のグロスな測定データや核分裂性核種の核分裂後のスペクトルと比較し、ENDF/B-VI理論計算を導入しない結果より、測定との一致が良いことが示された。
片倉 純一
日本原子力学会誌, 38(7), p.609 - 615, 1996/00
被引用回数:1 パーセンタイル:14.44(Nuclear Science & Technology)使用済み燃料の放射能及び崩壊熱評価等に広く利用されているORIGEN2コードによる崩壊熱計算値と国の安全審査で使用が認められている原子力学会の「原子炉崩壊熱の推奨値」は必ずしも一致せず、無駄な混乱や作業の重複を生む原因となっている。このためORIGEN2コードでも「原子炉崩壊熱の推奨値」と同等の崩壊熱計算値が得られるようORIGEN2コード用の崩壊及び核分裂収率データを「原子炉崩壊熱の推奨値」を算出する基となったシグマ委員会作成のJNDC核分裂生成物核データライブラリーのデータで置換し、ORIGEN2用のライブラリーを作成した。このライブラリーを用いることにより、実用的な範囲では、全冷却期間に亘り0.5%程度で「原子炉崩壊熱の推奨値」と一致するようになった。
外川 織彦
保健物理, 28, p.67 - 69, 1993/00
1991年4月に、日本保健物理学会の専門研究会の一つとして、「体内被曝線量評価コード専門研究会」が設置された。この研究会の目的は、体内被曝線量評価コードの現状を把握し、利用できるような形に整備して、学会員に提供していくための体制を作ることである。当研究会の活動の一環として、標記論文を共同執筆することになり、第3章「国内コードの開発の現状」の3.2節として、原研で開発された計算コードシステムDOSDACの概要をまとめた。このシステムは、核崩壊データ、代謝データ、解剖学的データなどの基礎的なデータから、内部及び外部被曝に関する線量換算係数を系統的に一貫して算出する大型計算機用システムである。
外川 織彦
体内被ばく線量評価コードの開発の現状, p.28 - 36, 1992/09
1991年4月に、日本保健物理学会の専門研究会の一つとして、「体内被曝線量評価コード専門研究会」が設置された。この研究会の目的は、体内被曝線量評価コードの現状を把握し、利用できるような形に整備して、学会員に提供していくための体制を作ることである。当研究会の活動の一環として、日本及び諸外国で開発された体内被曝線量評価コードの現状について調査した結果を標記冊子として共同で作成することになり、この一部として、原研で開発された計算コードシステムDOSDACの概要をまとめた。このシステムは、核崩壊データ、代謝データなどの基礎データから、内部及び外部被曝に関する線量換算係数を系統的に一貫して算出する大型計算機用システムである。本報告では、DOSDACシステムについて、特徴、評価モデル、適用、今後の課題等を記述した。
浅見 哲夫*; 飯島 俊吾*; 五十嵐 信一; 井原 均; 川合 将義*; 菊池 康之; 小室 雄一; 柴田 恵一; 高野 秀機; 竹田 敏一*; et al.
日本原子力学会誌, 31(11), p.1190 - 1217, 1989/11
最近完成したJENDL-3に関して、原子力学会誌の特集記事に寄稿した。JENDLの評価方法とそのベンチマークテストの結果を報告した。またJENDLに密接に関係しするFP崩壊データライブラリーの紹介をし、JENDL-3以後のデータの展望を述べた。
田村 務; 宮野 和政*; 大矢 進*
Nuclear Data Sheets, P. 3, 1987/10
質量連鎖A=118の核構造・崩壊データの実験結果を編集・評価し、核のレベルと崩壊の特性についての評価ずみファイルを作成した。これにもとずいて、表や図などを計算機により出力してNuclear Data Sheets誌に公表する。評価におけるデータの強差や不一致などについても付記してある。
田村 務
日本原子力学会誌, 22(12), p.836 - 844, 1980/00
原子力エネルギーの開発においては従来の中性子データに加えて、核構造・崩壊データの重要性が増してきた。この種の核データについても1976年に編集、評価、普及を国際協力で行うためのネットワークが構成され、その活動が始まっている。 本稿ではこの協力システムで採用されている評価ずみ核構造データファイルと核構造文献ファイルの性格、内容、評価基準、利用の見通しなどを概説した。
吉沢 康和*; 加藤 敏郎*; 岩田 洋世*; 賀来 哲三*; 飯沼 寧雄*
JAERI-M 8196, 64 Pages, 1979/05
この研究はシグマ研究委員会活動の一環として行ったものである。核燃料の非破壊検査をはじめ、種々の分野から要求されているガンマ線強度の精密測定を行った。実験条件を吟味、改善し、注意深く解析して、Co、Y、Ag、Ba、Cs、Eu、Eu、In、Biのガンマ線強度を求めた。
宝珠山 健*; 田坂 完二; 松本 純一郎; 中嶋 龍三*
JAERI-M 6846, 52 Pages, 1976/12
シグマ研究委員会の崩壊熱ワーキンググループにおいて作成された核構造データファイル(NDFILE)のフォーマット及びNDFILEから必要な情報のみを選択して取り出すプログラムABEGについて述べる。本ファイル及びABEGプログラムは崩壊熱の評価のみならず、中性子断面積の評価、核燃料の計量などのためにも有用であり、幅広い利用が期待される。
田坂 完二
原子力工業, 22(2), p.30 - 33, 1976/02
本稿は「核データ利用の現状と将来」という原子力工業に掲載される記事の第4番目の各論である。崩壊熱を計算するのに必要な核データは、崩壊系列,崩壊定数,崩壊エネルギー,中性子断面積および核分裂収率の5項目である。FPの崩壊熱を計算する為には600以上の核種の核データが必要である。核データの既知のFP核種は200~300にすぎずその精度も充分ではない。特に崩壊データが不充分である。従って核データの精度を向上し、未測定のデータの測定値を増加するのが必要なのは当然として、既知のデータを内外挿して未知のデータを推定する系統性および理論の進歩が重要である。アクチニド核種の崩壊熱を計算する上で最も重要でかつデータの不足しているのが中性子断面積である。断面積に関しては比較的、系統性が成り立ちにくく、測定値の質と量の向上が望まれる。
松田 規宏; 佐藤 達彦; 仁井田 浩二*; 須山 賢也
no journal, ,
原子炉の廃炉や加速器施設の廃止における作業計画の立案や廃棄物量を評価するため、PHITSとDCHAINを組み合わせた誘導放射能評価システムを開発している。その中で、誘導放射能による作業員の被ばく評価等を効率的かつ詳細に行うために、PHITSに線量計算用崩壊データDECDC2を導入するとともに、崩壊計算機能を実装した。この改良により、放射能の物理的減衰によって経時的に変化する放射線場での線量を効率的に評価できるようになった。